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20世紀の建築と言えば「鉄とコンクリートとガラス」Ⅱ
では、なぜ、20世紀の建築と言えば鉄、コンクリート、ガラス?・・・・・。20世紀は近代建築運動の時代で、それは、伝統的な様式建築を否定し、新たな工業化時代にふさわしい建築を模索し始め、工業化の進展にともなって、機能主義的、合理主義的な近代建築運動のうねりが高まっていく。それを、最初に実現したのは、機能と合理性を求めた工場建築の分野であった。それは、コンクリートに鉄筋をいれて補強する鉄筋コンクリートという工法が19世紀に登場し、それが20世紀に確立したからでもある。鉄筋とコンクリートはお互いの弱点を相互補完し、非常に相性が良い。コンクリートは圧縮力には強いが引っ張り力には弱く、逆に鉄筋は引っ張り力には強いが圧縮力には弱い。コンクリートと鉄は付着強度が大きく、熱膨張率もほぼ同じであり、また、鉄は酸化して錆びやすいが、コンクリート中の高アルカリの為に、鉄筋コンクリート中の鉄筋は腐食しにくいなど・・・・・。近代建築以前の建築は(木造はさておき)石やレンガを積んで壁を作る組積造が基本で、構造上大きな開口部が取れないが、鉄筋コンクリートで柱、梁、床を作り、構造上のベースとすれば、自由な開口部が得らる。また、コンクリートは型枠の中に流し込んで作るので、自由な造形が可能であるという点でも、大きな変革を可能とした。この鉄筋コンクリートの20世紀の代表的な住宅が、あの世界遺産となった上野の国立西洋美術館を設計したコルビジェの「サボア邸」。サボア邸も世界遺産。
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